万葉集巻01/0009 額田王作 |
巻・歌番号 | 作 者 | 新解読掲載箇所 |
01・0009 | 額田王 | (一)p042〜p073 |
従 来 の 解 釈 |
・原詩と従来訓 幸于紀温泉之時額田王作歌 |
莫囂円隣之大相七兄爪謁氣 | 吾瀬子之 | 射立為兼 | 五可新何本 |
□□□□□□□□□□□□ | わがせこが | いたたせりけむ | いつかしがもと |
・従来の訓み下し文 斉明天皇が紀伊の温泉に行幸された時に作った歌 莫囂円隣之大相七兄爪謁気 我が背子が い立たせりけむ 厳橿が本 |
・従来の訳 □□□□□□□□□□□□ わが君が そばに立たれたという 厳橿(いつかし)が下(もと) |
李 寧 煕 の 解 読 |
・李寧熙訓 莫囂 円 隣之 大 相七兄 爪 謁氣 吾瀬 子之 射立為兼 五可新 何本 まげ どんぐるりじ くん さちえ じょっあるげ おら じゃじ そいっしかね おがせ よろぼん | |
解読の結果は… ・セックスを歌う二重歌でした。 |
万葉集巻01/0020 蒲生野の唱和歌 額田王作 |
巻・歌番号 | 作 者 | 新解読掲載箇所 |
01・0020 | 額田王 | (一)p075〜p091 |
従 来 の 解 釈 |
・原詩と従来訓 天皇遊猟蒲生野時額田王作歌 |
茜草指 | 武良前野逝 | 標野行 | 野守者不見哉 | 君之袖布流 |
あかねさす | むらさきのゆき | しめのゆき | のもりはみずや | きみがそでふる |
・従来の訓み下し文 天皇(天智)が蒲生野で狩りをなさった時に作った歌 あかねさす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る |
・従来の訳 (<あかねさす>紫野を行き 標野を行って 野守は見ているではありませんか あなたが袖を振るのを) |
李 寧 煕 の 解 読 |
・李寧熙訓 |
茜草 | 指 | 武良前野 | 逝 | 標野 | 行 | 野守者 | 不見哉 | 君 | 之袖 | 布流 | ごくどしょん | さち | ぼらせくぼる | がね | ぴょまるぼる | がね | ぼるじきしゃ | あにぼじぇ | ぐで | がさ | ぼるよ |
蒲生野の唱和歌(額田王から大海人皇子へ) ・あわただしい通情の歌でした… 赤い股(さし(腎))が紫色の野原(蕃登(ほと))を行きます 標野(しめの(禁野))を行くのです 野守は見ていないでしょうね 貴方が私のはさみ(両股)をひろげるのを |
万葉集巻01/0021 蒲生野の唱和歌 大海人皇子作 |
巻・歌番号 | 作 者 | 新解読掲載箇所 |
01・0021 | 大海人皇子 | (一)p091〜p103 |
従 来 の 解 釈 |
・原詩と従来訓 天皇遊猟蒲生野時額田王作歌ー皇太子答御歌 |
紫草能 | 尓保敝類妹乎 | 尓苦久有者 | 人嬬故尓 | 吾戀目八方 |
むらさきの | にほへるいもを | にくくあらば | ひとづまゆゑに | われこひめやも |
・従来の訓み下し文 天皇(天智)が蒲生野で狩りをなさった時に作った歌 紫のにほへる妹を憎くあらば人妻故に我れ恋ひめやも |
・従来の訳 (紫草のように におうあなたを 憎いと思ったら 人妻と知りながら 恋をしましょうか) |
李 寧 煕 の 解 読 |
・李寧熙訓 |
紫草能 | 尓保敝類 | 妹乎 | 尓苦久有者 | 人嬬 | 故尓 | 吾 | 戀 | 目 | 八方 | ぼらちょぬん | いぼべら | いもは | いるごげろわ | いんさ | ぐに | な | げひ | ぬん | ぱるも |
蒲生野の唱和歌(大海人皇子から額田王へ) ・あわただしい通情の歌でした…(秀歌で答えた大海人皇子) 紫草(むらさき(蕃登(ほと))は 可愛らしい 君を失ってくるしいのだよ ことばをかけてきたので 私は 人目につかないように 脇見をするけれど |
万葉集巻01/0001 雄略天皇作 |
巻/歌番号 | 作 者 | 新解読掲載箇所 |
01/0001 | 雄略天皇 | (一)p019〜p040 |
従 来 の 解 釈 |
・原詩と従来訓 雄略天皇(大泊瀬稚武天皇(おおはつせわかたけのすめらみこと)) |
籠毛與 | 美籠母乳 | 布久思毛與 | 美夫君志持 | 此岳尓 |
こもよ | みこもち | ふくしもよ | みぶくしもち | このをかに |
菜採須兒 | 家吉閑名 | 々告紗根 | 虚見津 | 山跡乃國者 |
なつますこ | いへきかな | なのらさね | そらみつ | やまとのくには |
押奈戸手 | 吾許曽居 | 師吉名倍手 | 吾己曽座 | 我許背齒 |
おしなべて | われこそをれ | しきなべて | われこそませ | われこそば |
告目 | 家呼毛名雄母 | |||
のらめ | いへをもなをも | |||
・従来の訓み下し文 雄略天皇歌 籠もよ み籠持ち ふくしもよ みふくし持ち この岡に 菜摘ます子 家聞かな 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我れこそ居れ しきなべて 我れこそ座せ 我れこそば 告らめ 家をも名をも |
・従来の訳 (籠も良い籠を持ち ふくしも良いふくしを持ち この岡で菜をお摘みの娘さんよ 家を聞きたい 名のっておくれ <そらみつ> この大和は ことごとく わたしがすべている国だ すみずみまで わたしが治めている国だ わたしこそ告げよう 家をも名をも) |
李 寧 煕 の 解 読 |
・解読結果 雄略天皇 ・やはり即位宣言でした |
万葉集巻01/0007 額田王作 |
巻/歌番号 | 作 者 | 新解読掲載箇所 |
01/0007 | 額田王 | (一)p181〜p198 |
従 来 の 解 釈 |
・原詩と従来訓 |
あめとよたからいかしひたらしひめのすめらみこと |
天 豊 財 重 日 足 姫 天 皇 (斉明天皇)(代詠)額田王 |
金野乃 | 美草苅葺 | 屋杼礼里之 | 兎道乃宮子能 | 借五百礒所念 |
あきののの | みくさかりふき | やどれりし | うぢのみやこの | かりいほしおもほゆ |
・従来の訓み下し文 額田王歌 秋の野のみ草刈り葺き宿れりし宇治の宮処の仮廬し思ほゆ |
・従来の訳 (秋の野の 萱(かや)を刈って屋根に葺(ふ)き 旅宿りをした 宇治のみやこの 仮の庵(いおり)が思い出されます) |
李 寧 煕 の 解 読 |
・解読結果 額田王 ・戦争予告の歌でした |